最新CMYKプロファイル「Japan Color 2011 Coated」がやっとPhotoshopに標準インストールされるぞ!知覚的と相対的の使い分けがこれまで以上に重要に!

Pocket

最新CMYKプロファイル「Japan Color 2011 Coated」がやっとPhotoshopに標準インストールされるぞ!知覚的と相対的の使い分けがこれまで以上に重要に!20160609240753

「標準搭載」の怖さあるよね…

Japan Color 2001 CoatedがPhotoshopカラー設定の初期設定になったのが、CS2(それまではJapan Standard v2でした)

Japan Standard v2(相対・黒点オン:300%)

Japan Standard v2(300)

Japan Color 2001 Coated(知覚:350%)

Japan Color 2001 Coated(350)知覚

カラー設定を触らないまま「イメージ」メニュー>「モード」>「CMYK」で変換すると、デフォルトプリセットの内容の違いにより色の差がでちゃってたわけです。CS2が2005年ですから…あ、結構待ちましたね。

それでも「日本のオフセット印刷の標準・基準」としてのJapan Color 2001 Coatedの普及には、Adobeアプリの初期設定になったのが凄く効いていたことは間違いなく、業界全体でJP2001をターゲットに調整していく流れが確かにできていった功績は素晴らしいものがあります。仮に、Photoshopデフォルトでなかったらどうなっていたか。ちょっと想像したくもありません。

ただもう時代はどんどん過ぎるわけですよ。オフセット印刷の標準が「CTP&スクエア」になっていても、「フィルム出力&PS版焼き付け&ラウンドドット」で版を作って印刷していたかなりかなり古い時代の規格が、16年も使い続けられているのはちょっと異常であろうと思います。

本格的普及の一歩目となるか?

今回のバージョンではJapan Color 2011 Coatedが、特にインストールしていなくてもカラー設定から選べるようになりました。

また新しく追加されたプリセット「一般用 – 日本3」を選ぶとCMYKプロファイルには2011がセットされます(ただし初期設定では一般用 – 日本2のjp2001がデフォルト)

「一般用」? なぜだ…なぜWEBや印刷系プリセットを追加しない…

まぁ、「DLしてこなくても選択できる」ようになったのは大きな一歩だと思います。自分でカラー設定をカスタムできる人が、人に「2011を選んでね」と指示してもDL先から何からを示さなくても良くなった、というのは大変大きい。

2015.5以前で使う、Japan Color 2011 CoatedプロファイルのDL先はこちら。

『ICCプロファイル|Japan Color認証制度』

2001 vs 2011

もちろんJP2001と2011では色が変わります。一応念のため。

JP2001をターゲットに調整している所にJP2011で分解したCMYKを刷らせたら色変わりますからね。印刷への確認の上で使用するようにしましょう。

レンダリングインテントの使い分け

JP2001ではレンダリングインテント知覚・相対でTAC値に差は出ませんでしたが、JP2011ではかなり変わります。(下図・クリックで拡大)

20160609103545

黒点オフを使うことは非常に希ですから無視するとして、JP2011ではPerceptualとRelative ColorimetricでTAC値に12%の差が付きます(一応全色出した上で確認済み)

なんか、黒点補正オフ常時使用を勧めてるblogを見つけて、とてももにょもにょしました

たった12%ですがこの差はかなり大きく、シャドウのディティール表現に大きな違いが出ます。

20160609123121

20160728242531

▲2枚目はクリックで拡大

シャドウの表現は知覚的の方がオリジナルに忠実です。相対的は浅くなり、立体感に乏しくなっています。よく言えば明るめ。2001ではこのような差は出ません。

もちろんそれぞれの特徴として、知覚は滑らかで少し暗め(彩度が少し下がる)、相対は色域内の彩度は維持、はそのまま残っていますが、2001とは逆に、写真画像なら2011は「知覚的」をメインに「相対」を補助的に使用する方が平均点取れそうだ、という印象です。

というわけで2011では、これまで以上に意識してレンダリングインテントを使い分ける必要がありそうです。

そのためにもモード変換ではなく、プロファイル変換を使いましょう

レンダリング・サンプル

この項のみ、貼り付けた画像はAdobe RGBプロファイルを持っています。

▼Adobe RGBで作成したスペクトルと、sRGBで作成したスペクトル(…う、v)

20160612235421 20160612235440

▼クリックで拡大(※相対は全て黒点オン)

20160613243521

sRGBで作成した画像からの変換は、マゼンタに顕著なバンディングがあり、2001、2011共に一定濃度以下でカラーが飛んでいる箇所がある。Adobe RGB側でも、2001で暗部がグレー化している。

※)sRGBからの変換が、というより、sRGB程度の色域では、と言った方がいいでしょう。sRGBをAdobe RGBに変換してからCMYK変換しても、当然ですが結果は変わりません。「Adobeに変換してから〜」というテクニックは、変換でなく「指定」で大幅に彩度を上げてからCMYK分解する、というかなり乱暴で無茶なTIPSです。

シャドウの色味

2001ではシャドウ部の色味がおかしくなることがよくありました。特に目立つのが紫系のグラデです(下図・クリックで拡大)

名称未設定-1

グラフの下にある二つのグラデーションは、上が元RGB、下がCMYK変換後のものです。

2001では紫色のグラデーションの暗部が、全てのレンダリングインテントで灰色になっていることが分かります。この色、2001ではどう頑張ってもちゃんと出ません。

2011では、黒点補正オフの相対的を除いてきちんと再現されています。墨と黄の入れ方が2001とは逆転しているのにご注目。シャドウに持って行くのにきちんと上手く墨を使っていることが分かります。そうそうこうあるべきだよねー、というグラフになっています。

他のグラデも見てみましょう(以降レンダリングインテントはセット毎に違います)

Japan Color 2001 Coated_63.8258666992188_-111.416595458984

▲JP2001

Japan Color 2011 Coated_63.8258666992188_-111.416595458984

JP2011

Japan Color 2001 Coated_11.5932006835938_-61.8375854492188

▲JP2001

Japan Color 2011 Coated_11.5932006835938_-61.8375854492188 のコピー

JP2011

Japan Color 2001 Coated_11.5932006835938_-61.8375854492188 のコピー 2

▲JP2001

Japan Color 2011 Coated_11.5932006835938_-61.8375854492188 のコピー 3

JP2011

全体に感じるのは、各インキ%の遷移が非常に滑らかになっていることと、墨版の入れ方がとても納得感あるものになっていることですね。

またCMYの特に0%からの入り、100%への入りのカーブがとても滑らかで、CMYKでの微調整が破綻し辛くやりやすい版になっています。

目標とする変換が違うこともありますが、1%からきっちり出せるCTPの恩恵がフルに生きた、現代に合ったプロファイルだと言えます。

作成経緯(特にサンプルの機械選定と数)やICCプロファイルの中身を見ていると「最高に素晴らしい!」と手放しでは言えない…ところはまだありますが、現時点ではベストの選択だと思います。

 


Pocket

あわせて読みたい